支援者H.J様からの投稿

支援者のH.J様はルワンダで支援している子どもであるサムを訪問しに行きました!初めてのルワンダ訪問、村落での生活体験、サムとの感動の出会い、サムやサムの家族との触れ合い、今も蘇る新鮮な記憶を投稿して頂きました。

 赤道のすこし南、アフリカの内陸の国ルワンダ-なぜこの国で24年前大虐殺が起きたのか?その前には何があったのか?そしてその後、ルワンダの人々はどのように生活しているのか?

ルワンダという国と人々のことを知りたくなり、機会あるごとに本を読み、映画を観ていました。

『世界はなぜルワンダを救えなかったのか』、『ジェノサイドの丘』、『生かされて』、『ルワンダの祈り』、『ホテル・ルワンダ』、『ルワンダの涙』など-。

 

ルワンダへの関心が高まるうち、ルワンダで、学費が支払えず、基礎教育が受けられない青少年たちのことを知りました。そんな中、「ルワンダの中学生の学費を支援している市民の会があるよ」と、私が友人から聞いたのは、8年ほど前でした。

 

 さっそく「ルワンダ中学生学費支援の会」(現在の英語名は「Rwanda Children's Hope」)の発起人の綿本結子さんに問い合わせ、紹介してくださったのが、サムくんで、当時20才でした。

 

サムくんは、同会の代表のファティアさんと同じルワンダ東北部のカランガジ(ニャガタレ郡)に住んでいました。中学校1年生までは、叔母さんに学費を出してもらって通っていました。

彼は、学校に行きたいのに、姉妹3人と兄弟7人の長男、父親が不在で、家族は現金収入の手段が非常に乏しく、叔母さんも学費が出せなくなりました。中学生の学費支援対象だから10代だと思っていたので、サムくんの年齢を知ったとき、最初驚きました。でも、彼からの手紙には、「ぜひ勉強を続けて、人に奉仕できる人間になりたい。」という意欲と向上心が、たどたどしい文字にあふれていて、すぐ支援を決めました。こうして、彼の中学2年生の2学期から学費支援がスタートしました。

 

 彼は毎学期良い成績で中学校・セカンダリースクールの6年を修了しました。サムくんとファティアさんから毎回送られてくる手紙と写真、結子さんの通信から、様々な壁にぶち当たりながらも学び、活動し続けるその情熱と志に、私は大きなエネルギーを現在ももらっています。

奨学金の事業母体であるファティアさんの現地NGO(IHCM)は、貧困などの様々な困窮により、学校に行きたくても学費を払えなくて行けないニャガタレ郡の子どもたちが、ニャガタレ郡で教育を受けることができるように、そして子どもたちの心の傷を癒やすようにと日々活動を続けています。

そのIHCMへの支援を通して、ルワンダがさらに身近に感じられます。その志の実現を支えていけることに感謝です!

 

 そして、2016年2月。いよいよ念願のルワンダを訪問する機会がやってきました。

3週間のルワンダ滞在です。首都キガリに来ていたファティアさんと初めて会い、そこからバスでニャガタレに向かいました。そして、もうすぐ完工式を迎えるIHCMのサマリタン国際学校の幼稚園と小学校を訪ねることができました。

 

そこで、幼稚園で教えていて、ファティアさんのIHCMの奨学金事業も積極的に支えている青年の姿があり、それがサムくんでした。

サムくんは、優しいまなざしの中に芯の強さを持つ頼もしい26才の青年になっていました。

サムくんは私を見ると「お母さん!」と呼びながら、駆け寄って来ました。背の高い彼を見上げると、その目から涙がこぼれ、抱きしめてくれました。直接会えた感激は、言葉で言い尽くせませんでした。新しい校舎の用具を整理していたサムくんの額には汗が浮かんでいました。

私は持って来たかばんからお相撲さんの模様入りのタオルを出し、肩に掛けてあげました。

その瞬間涙と汗に、彼のこれまでの日々の努力と辛抱強さ、学び続ける強い意志を垣間見ました。

 

翌日、カヨンザ方面にあるサムくんの実家をファティアさんと訪ねることになりました。

カランガジからマタツと呼ばれる乗合バスで向かいました。その先は道幅がとても狭く、でこぼこが続いているため、モトと呼ばれるバイクタクシーで移動です。

 

村の中の小道を通り、水路のそばを抜けて、山の中の一本道をずっとずっとモトで登り、ついにサムくんの郷里の村に着きました。

おうちには彼と彼のおばあさんとお母さん、4人の弟さん、2人のお姉さん、そして上のお姉さんの1歳半くらいの息子さんがそろって、ファティアさんと私を暖かく迎えてくれました。

家族の中で中学校・セカンダリースクールを修了したのは、サムくんが初めて、とお母さん、お姉さんたちがお話してくれました。

 

おばあさんは、「サムがおかげ様で立派な青年に成長できたことがとてもうれしい。感謝しています。」と、ファティアさんと私たちに何度も手を合わせ、感謝の言葉とお祈りを捧げてくださいました。

サムくんは、これからは教員として、サマリタン国際学校とIHCMの活動を効果的に支えていきたいと強く願っていました。今、中学校と小学校でそれぞれ学んでいる弟さんたちは、「お兄さんの姿を見て、自分たちも機会があればぜひその上の学校に進みたいと思っている」と話してくれました。

 

その翌日、ファティアさんがサマリタン国際学校の幼稚園と小学校の授業を見学させてくれました。

授業では子どもたちと話し、その後先生たちともお話することができました。

幼稚園では、子どもたちにアルファベットを教えているサムくんが授業をしていて、彼が熱意をもって教えている姿を観ました。

 

帰国後、サムくんが志望している東アフリカ大学ニャガタレ校の3年間の「教育における経済とビジネス」夜間コースの学費を一緒に支援して下さる方が見つかり、二人でサムくんの学費をお送りし、サムくんの自身の夢「立派な教員になって、IHCMを支える」がかないますように-祈り、見守っています。

 

ルワンダの歴史、文化、平和を築くための教育やコミュニティとの関係づくりーさらに学びたいことがたくさんあります。

Rwanda Children's Hope」の支援の活動を通じて、その学びと交流の場をたくさんの方と共有し、広げ、深めていきたいと思います。

ありがとう、結子さん、ファティアさん、みなさん!ありがとう、ルワンダ!また会いましょう。

    支援者 J.H