カバシンガ・ファティアと綿本結子はルワンダの東部県にあるカランガジセクターで2008年にRwanda Children's Hope(日本語読みではルワンダチルドレンズホープ。以下RCH)を共同設立しました。
結子は青年海外協力隊として2006年から2008年カランガジセクターで活動し、現地NGOである「クラブ・ママン・スポルティブ」に所属しながら職業訓練校の運営と学校と市場を繋げる現金収入向上活動に取り組んでいました。その折に、ファティアとカランガジで出会い、ファティアが2005年にカランガジで創設したNGOであるインターナショナル・ヒーリング・センター・ミニストリー(以下IHCM)の職業訓練校と現金収入向上活動も手伝っていました。IHCMはその後2016年に正式に法人格を得ました。当時、IHCMはカランガジの女性やユースのために職業訓練校を運営すると同時に教会の活動も実施していました。
カランガジはルワンダでも貧困地域であり、初等教育後に中等教育に進めない子ども達を多くいます。ある日、初等教育を最優秀で卒業した二人の子どもが国からルワンダのトップクラスの中等教育での教育課程の推薦をされているにも関わらず、家の収入が十分にないため授業料が払えず、進学をあきらめなくてはならないという話をファティアが結子に共有しました。結子とファティアは彼らの教育費を支援することを決めました。結子がまず一人を支援し始めました。そして彼女の友達にその話をしたところ、「私もやりたいな」。結子が他の子どもとその友達を繋げました。結子が任期終了後に奨学金の話を他の友達に話すことで、一人一人と支援の輪が広がっていきました。RCHはこのようにして、IHCMの傘下で奨学金のプロジェクトとして設立されました。
2008年より結子が日本で資金調達の活動を行い、ファティアが現地で活動実施の管理をしています。現在は、現在は幼稚園、初等教育、中等教育、大学レベルの支援を実施していますが、事業開始時は中等教育中心に支援をし、中等教育は2016年までに総計で50人の教育を支援しました。その内の6人の優秀な学生に限り、大学の教育を支援しています。2016年3月には在ルワンダ日本国大使館の草の根・人間の安全保障無償資金協力によりIHCMが運営管理するサマリタン・インターナショナル・スクール*が正式に開校しました。当校では幼稚園を3レベル、小学校を6レベルに分けています。2017年現在、幼稚園と小学校の児童併せて186名をRCHで支援しています。将来はさらに人数が増加していきます。
2015年と2017年はIHCMが世界基金より養鶏小屋建設資金を頂きました。2016年にはクラウドファンディングのプラットフォームであるREADYFORとスイスの改革派教会であるKIRCHGEMEINDE AARWANGENから頂いた支援金により、養鶏事業に必要な電気系統の建設や飼料に一部を充てることにより、養鶏事業が2017年より本格的に開始しました。養鶏事業により学校の自立的な運営と生徒達の栄養改善に繋がります。IHCMでは養鶏事業は栄養事業の下位の事業として位置付けており、RCHでも既存の奨学金事業jに加えて栄養事業も支援することになりました。2017年現在では、栄養改善事業として養鶏と市場確立の活動を実施しています。また、もう一つの改善事業の活動としては給食提供が挙げられます。学校にくるカランガジの学生は十分な朝食をとれておらず、そのことは肉体的、精神的な成長を阻害する要因になることから、IHCMにより2017年から給食(朝食)を提供しています。
*サマリタン・インターナショナル・スクールは、ルワンダ北東部ニャガタレ郡に地元の小さなNGOが「貧しくて困っている人を放っておけない」スピリットで、 地元の子どもたちの教育支援を積み重ねて開いた私立学校です。ニャガタレの子どもたちをニャガタレで育てたいーという想いと共に、彼らはニャガタレの子ど もたちに国境を越えて世界の他の国々のことも学んで活躍してほしいという願いを込めて、自分たちの私立学校の名前を「インターナショナル・スクール」と名 づけました。